メモリを限界まで増設

La13のチップセットにはIntelの430TXが採用されています。
この430TXはSDRAMに対応し最大256MBまでのメモリを利用可能なのですが、カタログ上はEDO&最大80MBと記載されています。
SDRAMはともかく、最大容量に関しては発売当時に筐体に収まるサイズの128MBタイプのSO-DIMMモジュールが存在していなかったためだと思われます。
そこで、128MBのEDO-SO-DIMMが利用可能か試してみました。

La13メモリ増設手順

La13の裏面です。
赤丸の蓋の裏に増設メモリスロットがあります。

La13メモリスロットの位置明示

メモリスロットには背が低いメモリしか入らないので注意!
ちなみに、La13/S14Rの場合は最初から16MBのモジュールが刺さっていますので取り外す必要があります

La13メモリスロットの拡大写真

それでは早速

SO-DIMMの128MB-EDOモジュールです。
2003.11に秋葉のじゃんじゃん亭にて購入。
他より安かったとはいえ、まだまだ高価です。

メモリモジュールの写真

取り付けです。
小基板タイプなので問題なく入ります。

メモリをソケットに取り付けた写真

起動してメモリ容量を確認。
無事に認識してくれました。
ただ、メモリカウントが非常に遅い・・・
La13改なら、我慢できるレベルですがノーマルのLa13では厳しいかもしれません。
また、128MBのDIMMを挿すとサスペンドができなくなりますのでご注意。

起動してメモリカウントを確認している写真

SDRAMに関して

La13では対応していないので利用できませんが、同型のPC/AT版であるAL13Cにおいては特定条件で利用可能なようです。
私はAL13Cのために買い物をする気は無い(^^;ので試してませんが、SDRAMのほうが確実に安いでしょうからAL13Cをメインにお使いの方はそちらを試してみるのも手でしょう。

256MBフル実装に関して

オンボードのメモリを何とかしないと無理です。
チップ張替えで可能なのか、それともメモリモジュールを小亀式に重ねるのか・・・まぁ私の技術レベルでは到底無理な話なのであまり真剣に考えたことはないです。

ちなみに、松下やIBMノートの改造ではオンボードメモリを撤去してソケットに256MBモジュールという手法が一般的です。
La13のDOS/Vノート版であるAL13CにおいてもSDRAMの256MBモジュールを利用して成功しているという報告がどるこむにあがっています。
興味のある方は過去ログを検索してください。

HDDを限界容量のものに変更

La13は標準で1.4GBのHDDを搭載しています。
当機種が発売された頃には、「広くはないが我慢できる」程度の容量だったのでしょうが現在では狭くて使えない状況だと思います。
LsやLa10等と違いLa13の筐体はHDDの交換が楽ですから、少しでも大容量のHDDに交換しましょう。
#ちなみにAileの他機種の場合、ほぼ全て分解しないとHDDを交換できません。

HDD換装手順

赤丸で囲ってある部分のねじを外すとHDDにアクセスできます。

HDD取り外しのネジ位置を図示

コネクタの反対側はマザーなので無理に引っ張らないように注意して外します。
抜けてしまうと全分解しないといけません。

HDDコネクタの拡大写真

HDDに貼り付けてある絶縁シートを剥がします。
次に新しいHDDに絶縁シートを張りなおします。
※旧ねじ、新ねじのどちらでも前後を変えて貼り付けることで対応可能です。

絶縁シートの拡大写真

絶縁シートの前後を入れ替えた場合はHDDを留めているねじの場所も変えます。
赤丸で囲っている場所が隠し蓋になっていますので外して元々のねじの場所に移動します。

隠し蓋位置の図示

接続可能なHDDの最大容量に関して

97年以前の9821シリーズ全般に当てはまるのですが接続可能なHDDの最大容量は4.3GBです。
しかも認識しないのではなく接続するとハングアップしてしまいます。
これはIDE-BIOSの容量チェックルーチンに問題があるためで、ROM内容を書き換えない限り回避することはできません。
※私はBIOSを書き変えてしまったので127GBまで問題なく使えます(けど遅いので・・・)

とはいえ、最近では4.3GB以内のHDDも入手難になっています。
そんな方のために、HDDの容量を書き換えられる「ICC(K.Takata氏作)」というソフトがあります。
大容量のHDDしか入手できない方は一度ご覧になると幸せになれるでしょう。

K.Takata氏のサイトには当サイトのリンク集からジャンプできます。

分解方法

改造/内部修理を行わない限り開けることはないと思いますが、一応資料として・・・

筐体上下の分離

赤丸の個所にねじがあります。

底面のネジ位置図示

底面に8本、背面に5本です。
長さ、太さが違うものがありますのでちゃんと覚えておきましょう。

背面のネジ位置図示

液晶部とメインボードはコネクタで繋がっています。
サスペンドボタンの近くにコネクタがありますので液晶を垂直にして左右に揺らしながら引き上げると難なく外れます。

液晶と本体の分離図

パームレスト部は筐体の下側にフックされています。

バッテリカバー個所拡大写真

バッテリーカバーを外し、液晶部分を持ち上げ、揺らしながら手前に引くとポロリと外れます。
これで筐体の上下が分離できました。

分解後の筐体下部写真

と、ここまでは簡単です。この状態で可能なメンテナンスは
・キーボード不良時の交換
・スライドパッド不良時の交換
・バックアップ電池不良時の交換
なので、液晶パネル交換やクロックアップなどを考えている場合は更に分解を進める必要があります。

液晶パネル交換

パネル交換を行うには筐体液晶部を分解する必要があります。
液晶部を分解するのに外すべきねじは全部で5本、外す必要のあるツメは10箇所になります。
まずは構造を理解してから分解してください。

筐体上下の分離

液晶部を分解するには、筐体を上下に分離する必要があります。
上記分解方法で示した手順で筐体を分離します。

分離した上半身の写真

液晶カバーの取り外し

液晶部下にあるサスペンドスイッチ部とアクセスランプ部を外します。
サスペンド部はパネル前面から爪を押し込み、アクセスランプ部は裏面からねじ留めの部分を曲げつつ押し出します。
ねじ留め部分は非常に折れやすいので、十分注意してください。

ツメの位置明示

赤丸で囲ってある部分にねじが隠れています。
上部のゴム足裏に2本、下部の目隠しシールの下に2本、エンブレムシールの裏に1本です。

隠しネジ位置明示

全てのねじを外したら、フックされている個所の取り外しに掛かります。
矢印で示した個所にツメがあるので、そこを親指で押し込みつつ、パネルの内枠をめくるように持ち上げると外れます。
ツメを外す順序は
1.筐体側面〜フック横
2.筐体下(ツメではありませんが)〜凹部
で行うのが良いと思います。
特に凹部のツメは深いので、下部を外した後鉄尺で押し出すと楽でしょう。
これで液晶パネルにアクセスできます。

フロントベゼルツメ位置明示

まず、フック部を取り外します。
部品がかぶせてあるだけなので、左側から持ち上げ手前に引くと簡単に外せます。
液晶パネル自体は3点でねじ留めされています。

ラッチカバー取り外し方

パネルを取り外す場合、ねじを外したあとインバータとバックライトの接続プラグを外し、ケーブルのコネクタを外す必要があります。
パネルと繋がっているフィルムケーブルはインバータとマザーボードに繋がっています。

液晶パネルを外したところ

あとは新しいパネルを取り付け、逆の手順で組み立てれば完成です。
注意すべき点はやはりアクセスランプ部の取り付けでしょう。
私も一度完全に折ってしまいました(苦

ちなみに、La13で使用されている液晶パネルは、NEC製のNL8060BC26-13です。
これはAL13とも共通ですので相互交換が可能です。

液晶バックライト交換

バックライト交換を行うには液晶パネル交換を分解する必要があります。
中に埃が入ると影になりますし、裏面自体が光の拡散を担っているので下手をするとムラができてしまいますから、慎重な作業が必要です。

液晶パネルの分解

赤丸で囲った4本のねじを外します。
次に両面テープで貼り付けられている半透明の板を剥がし、裏に隠れているねじを外します。
パネル上部はテープで封印されているのでカッターで切ります。
これでツメのみで留まっている状態になりました。
#ちなみにこの板は、液晶パネルの基板を保護しているもののようです。

パネル分解用ネジ位置明示

矢印の個所がツメで留められています。
力をかけすぎると、フレームが簡単に曲がるのでなるべく丁寧に外してください。
これで外枠まで外れます。
この写真が外枠の爪です。

パネル分解用ツメ位置明示1

カバー側の爪です。

パネル分解用ツメ位置明示2

バックライトの取り出し

銀色のカバーに覆われているのがバックライトです。
線が外枠にはめ込まれているので切らないように外した後、カバーごとバックライトを取り外します。
このカバーはライトの拡散のためにあるものですから曲げないように注意してください。

背面カバーを外した液晶パネル

あとは新しいバックライトを取り付け、逆の手順で組み立てれば完成です。
注意すべき点として、蛍光管は非常に細いので折らないように。

取り外したバックライト

ちなみにLa13で使用されているバックライトの長さは220mmで、もちろんAL13とも共通です。
通常、「冷陰極(放電)管」という名で販売されているはずです。

クロックアップに挑戦

La13で採用されているCPUはMobilePentium133MHzです。
MMX版と比較するとOC耐性は落ちてしまいますのでOC危険度は結構高いと思います。
当方での実験は失敗に終わりましたが、参考までに記事としてまとめておきますので何かの参考にして頂ければ幸いです。

オーバークロック手法の検討

OC時に検討するのはFSBか倍率設定の変更ですが今回もFSB変更から行きたいと思います。

Nr150/S20と同様にPLLはIMI-SC484です。

SC484データシート

データシートを読むとこのPLLは50/60/66/80が出力可能となっていますので、PLL周辺の変更を行う事にします。
詳細はデータシートをご覧になってください。

SC484ピン配置

マザーボードの取り外し

La13はマザーとCPUボードが別体になっています。
まずは以前にも示した手順で上下を分離し、キーボードとスライドパットのフィルムケーブルを外します。
次にCPUの放熱版カバー、FANの電源と外します。
ここで一見放熱板が引っかかるように見えますが、CPUボードに留められているビスを外すことでマザーと一緒に外れますので良く観察してください。

メインボード固定ネジ位置明示

マザーは筐体に3点でビス留めされていますので全て外し、右側から持ち上げるように外します。
これでCPUボードが拝めます。

CPUボードは筐体に2点でビス留めされています。
目的のSC484はCPUボード表面です。

SC484の位置明示

FSBを80MHzにする

66×2.5の166MHzでも良いですが、それよりはCPUクロックが低くパフォーマンスの良いであろう80×2の160MHzに設定します。

80MHz設定はS0(11番Pin)をONにします。
Nr150/S20と同様に足上げで対応です。

足上げしたSC484の拡大写真

動作確認

ということで動作確認を行いましたが・・・HIMEM.SYSが通りません(ToT)
11番PinにSWを取り付け、133MHzでの動作を確認 => Windows起動後に切り替えると、即時に例外が多数発生しそのままハングしてしまいます。
どうやらCPUの限界を超えているようです。残念。

あとがき

160MHzが通らなかったので、166MHzも無理と判断し実験を終了しました。
80×1.5で120MHzに設定すれば動作すると思いますが、余り意味もなさそうですので。


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